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不思議な夢……
先ほど見た虎が脳裏に焼き付いて離れない。“オオオォォ……”という力強い雄叫びもまだ頭の隅っこのほうで響いている。
なんか妙にリアルやったなぁ……テレビの見すぎかな? 確か寝る前、タ○ガーマ○クをみてたような気がする……あれが原因? いや、ちょっとちゃうか……
!! あぁ……、なるほど。
何かに気がついた母は自分のお腹に手を沿わせながら呟く。
「もしかして、あんたがしたん?」
その質問に答えるかのように、お腹の中からトンッ……と振動がした。
「ふふっ……」その音を感じ頬を緩ませる母。ふと窓に目をやると、外はまだ薄暗がり……時刻は4時前。
鳥たちは早々と今日の旅支度をしている。
もう少し……寝よ……
ぼやけていく天井を見送りながら、もう一度あの虎に会うため瞳を閉じる。モゾモゾと寝るポジションを作っていた
ー―その時、
「痛ーーっっ!」
身体を貫く痛みが走り、閉じかけていた瞼が反射的に大きく開かれる。歪んだシーツが、その痛みを表すかのように複雑に凹凸を成している。
――こ、これは……
「っー! う……産まれるっっ!!」
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