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クスクス……
その姿を後ろで笑う奴がいた。振り向くと、同じクラスの『大翔(たいが)』が鼻にある大きなニキビを触りながら、つり上がった目をニヤァと歪ませ昴を見下ろしている。
その横には、いつも大翔の腰巾着で一緒にいる出っ歯の『章平(しょうへい)』と小太りの『拓真(たくま)』
まぁたこいつからか。相変わらず、気持ちわりぃ顔……
面倒臭そうに立ち上がり、パンパンッッと砂を払う昴は、トマトに水をあげる為再び歩き出した。
「おい。待てや!」
大翔は腰に手をあて大将気取りのポーズ。はい無視。
スタスタスタ……
「おい!」
スタスタスタスタスタスタ……
「っこいつ……あったまきた!」
自分が無視されたことに腹をたて言葉で虚勢を張るが、つきあってられないと先を行く昴。
ふいに、右の腕を掴まれ、昴の体がぐんっと後ろに引かれた。
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