scene 5

7/27
前へ
/116ページ
次へ
妖艶に撫でていくハルは、薄い唇は口角を上げて弧を描き、それは妖艶な笑み、そのもので 「女の足首から脹脛へ、そして膝…上に視線を移すものなんだよ。」 グイッと私の太腿を覆っているブランケットから、太腿が出るように脚を引っ張り出す。 開かれる脚に 「やっ!…」 と、声を出して、ハルの手を払おうとするけど、ハルは私の手を遮る。ブランケットから出た片脚、露わになった片脚の膝にチュッと接吻(くちづけ)て 「こうやって、触れたいと思わせるユズの膝下まで隠さないとダメなんだよ。」 ニヤリと笑う顔は、獲物を捕らえる妖艶な獣の瞳。 「人妻の脚、エロ妄想の餌食になるだろ?」 「なっ!な、ならないわよ」 真っ赤になって慌て言い返す。言い返さなければ、ハルの妖艶な色気に飲み込まれそうになる。 「は、ハルがエロ妄想してるだけじゃないのっ!」 「…してるよ。」 「え?」 「俺はいつもユズを見たら、妄想してしまうよ。ユズのエロい顔を見たいって…もっと、もっと俺だけに見せるエロい顔を見たいって思うよ。」 ハルはクッと口角を上げて、弧を描く唇は厭らしい程、妖艶な笑みだった。
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6738人が本棚に入れています
本棚に追加