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私が黙り込むと、
ハルはハァーっと溜息つきながら、髪を掻き上げる。
「飯田は、思い当たる節がある。やっぱ、わかってんじゃねーか。」
ハルが吐き捨てるように言った。
確かに…飯田くんは思い当たる事があったけど
「うん…でも、連城さんは、そんな風に私を見て無いよ。」
なんでハルが連城さんを引き合いに出したのか…私は訝しげにハルを見ると、ハルは苦笑いした。
「…ああ。聖也は…お前の事、そんな風には見て無い。聖也のは例え話…冗談だよ。」
「例え話って、冗談って、連城さんに対して失礼だよ。」
ハルが連城さんが節操無しみたいに言うから…どうして?って思ったけど、ハルは
「ユズが聖也の事を何とも思ってなくても、聖也もそうだとしても…いつ何が予想出来ない事が起こるかわからないって事を言いたかっただけ。」
目を伏せて、静かに言った。
「何か起きるって…何も起きないよ。」
私はハルの頬に、自分の手を添えるように触れる。
ハルは私のその手をギュッと握って
「わかってる。聖也とユズは何か起きるなんて本気で思ってない。…ただ、ユズが親父さんに聖也をイケメンと絶賛してたから、ムカついてただけ。」
ハルは戯けるように苦笑いした。
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