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翌日、私とハルはショッピングモールに向かった。
ハルは黒のジャケットにオフホワイトのカットソー、ベージュのチノパンを履いていて、大人の男の装い。
チノパンのポケットに手を入れて、顎をクイっと上げて前髪を払いながら歩くハル。
片方の手は私の手を繋いでくれて、私はハルの横を歩く。
横にいるハルをチラッと見る。
ーーハルって、やっぱり格好いい。
だって、すれ違う女の子が、必ずハルを見てから、ハルの隣で歩く私を一瞥する。
…女の子は皆、ハルを見る。
私に向ける瞳は、「彼女なの?」って睨むように見るから…嫌だなって思う。
「どうした?」
少し身体を屈め、私の顔を覗き込むように見るハル。
「ううん…なんでも無い。」
「なんでも無いって顔じゃねーだろ?」
ハルが眉間に皺を寄せたから、仕方なく私は
「…ハルと歩くと、女の子が皆、ハルを見る。」
ポソッと言うと、ハルが「プハッ」と笑った。
「何、それ?ヤキモチ?」
ハルが嬉しそうに笑うから、
「そうだよ。」
ってホッペを膨らまして言うと、ハルは笑いながら、私のホッペをつついた。
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