傷跡 #2

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傷跡 #2

少しずつ、春を迎えようとしているこの季節…。 北国には、まだ桜は遠い…。 三月に入り、アキに辞令が出た。 朝、オフィスに向かう廊下に、その辞令は張り出されていた。 いつもはチラッとしか見ない辞令だが、今年は足を止めて見ていた。 「星川 アキ、四月一日を持って、商品開発管理部に異動を命じる」 この商品開発管理部は、当初十月に出来る予定だった部署。 社長に言われてから、覚悟はしていた…。 でも、実際に辞令を見ると、ショックだった… 『とうとう出ちゃった…』 まさか、企画部から離れる日が来るなんて、あの時までは考えた事もなかった…。 オフィスに入ったアキは、すぐに席に座り、ボーっとしていた。
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