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水葬が終わり、皆の前で話しているイ
チルの姿。
イチル「――我らは先の戦闘において多く
の仲間を失った。仲間の死の数だけ、悲
しみも大きい。しかしながら、ここで嘆
いていても死んでいった者たちへの弔い
にはならん。我らがなすべき事は、この
戦いに勝利する事である。決して犬死に
などさせてはならぬ。勝利こそが、我ら
の道。それこそが、死んでいった仲間へ
の何よりの供養ある!」
一同、「おぉ!」と叫ぶ。
決意の表情のイチル。
○海上・港近く
戦艦クサナギがやって来る。
○港
戦艦から下りてくる兵士一同。
その中、イチルの姿。
イチルの頭に石つぶてが当たる。
イチル「!」
乗組員C「艦長っ!」
民間人から投げ込まれたものだ。
民間人A「よく帰って来れたな! 馬鹿野郎
ども!」
民間人B「のこのこ帰って来やがって」
民間人から罵詈雑言を浴びせられる兵士
たち。
乗組員C「あいつら、言わせておけばっ」
乗組員Cを制すイチル。
イチル「気にするな。言わせておこう」
イチル、気にせず歩いて行く。
そこへ一台のトラックが荒い運転で民間
人の中へと突っ込んで来る。
逃げ惑う民間人。
運転席の窓が開き、マレノブが顔を出す。
マレノブ「よぉ、負け犬にふさわしい凱旋じ
ゃねぇか」
イチル「……マレノブ」
マレノブ「乗れ、新兵器のご紹介だ。あぁそ
うだ。あの参謀の奴も連れてこい」
イチル「……」
マレノブ「今にその仏頂面、消し飛ぶぞ」
上機嫌に笑うマレノブ。
○ガレージ・外
人里離れた場所。巨大なガレージが一つ。
中へと入っていくトラック。
○同・中
降りてくるイチルとトシユキ、そしてマ
レノブ。
奥からひょこひょこと出て来る少女・ミ
サキ。
ミサキ「マレノブ、遅い」
マレノブ「悪ぃ悪ぃ、ちっと迷った。この国
はどうも、道が分かりづらい」
トシユキ「……子供?」
マレノブ「俺の相棒だ。今回の新兵器を開発
したのも、こいつだ。ミサキ、物の準備は
出来てるか」
ミサキ「こっち」
ミサキ、ひょこひょこ歩いて行く。
それに続く三人。
○同・格納庫
やって来るミサキとマレノブ、イチル、
そしてトシユキ。
イチル「(絶句で)これは――」
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