第1章

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  三機の巨大人型兵器が格納されている。 マレノブ「無人戦争において、従来指揮艦  は無人機兵器の操作を行う基盤でしかな  かった。この兵器には、その指揮艦の役  割を丸ごとこなす事が出来るシステムが  搭載されている」 トシユキ「……」 マレノブ「使い手によれば、こいつ単独で  一国を堕とす事も容易いだろう」 イチル「……一国が」 トシユキ「まさか……そんな兵器……」 ミサキ「使い手に、よればね」 マレノブ「シングラリティ、それがこの兵  器の名だ――」 ミサキ「あたしが命名!」 マレノブ「参謀さん、俺はこいつのパイロッ  トにあんたを推薦するぜ」 トシユキ「……!」 マレノブ「一度捨てた命だ、惜しくはない  はずだろ」 イチル「……馬鹿げてる」 マレノブ「弔い合戦、そうだろ?」 トシユキ「……」 イチル「まだシステムもよく分かっていな  いんだ。危険すぎる」 トシユキ「いや――乗る」 イチル「トシユキっ!」 トシユキ「使い手次第で、一国堕とすのも  容易いんだろ?」 マレノブ「あぁ、生かすも殺すも、あんた  の腕次第だ」   トシユキ、シングラリティの前へ。 トシユキ「これがあれば、誰も失うことも  ない――だったら、俺は」 イチル「……」 トシユキ「――堕としてやる。俺たちの仲  間を奪おうとする奴ら、全員。どこの、  誰が相手だったとしてもっ!」   決意の表情を見せるトシユキ。   心配そうなイチル。   自信満々なミサキ。   そして、何か含んだ笑みを浮かべてい   るマレノブ。   シングラリティは、そんな様々な感情   を見守るようにそびえ立っている。          【第一話  了】     
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