二十年

14/14
前へ
/96ページ
次へ
近づいて来る足音が聞こえる。 私は音の方に目を向けた。 少し薄い頭。 増えた皺。 でも、 間違いなく彼だった。 「ただいま」 彼は微笑んだ。 私は彼の胸に抱きついた。 少し香水臭かったけど、 暖かい彼の胸。 「変わったのは僕だけだね」 彼はちょっぴり照れくさそう。 「結婚してくれるね」 彼は言う。 私は彼の目を見つめた。 「はい。 喜んで」 END
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加