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「……伴侶……?」
姫君には全く意味が分からなかった。龍という人とは次元の違う生き物の伴侶? しかも一方的に決められて更に戸惑う。
「そうだ。お前ならいい。名は何という?」
「か……勝手に決めないで! 大体、人と龍なんて……」
姫君が龍から身を離して反駁する。龍は気にもとめていない口調で「問題ない。……ほら」と言って白煙をあげた。龍の全身が煙に包まれる。
「きゃあっ……」
姫君は思わず後ずさり、両手で顔をおおった。けれど、煙には臭いがなく、ただ少しひんやりする。
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