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その冷たさが失せて、姫君は恐る恐る手を下ろした。そこに見えたものに目を見張った。
「この姿なら大丈夫だろう?」
「あなた……本当に?」
そこにいたのは、銀白の長い髪と純白の衣、そして赤い瞳の人だった。銀白の髪は月光にきらめき、衣は絹よりも艶やかで柔らかそうだ。顔はすっきりと整い、年齢は青年としか感じさせない。
「私の名は朱殷(しゅいん)という……真の名を呼ぶのが許されるのは人には伴侶しかいない。お前の名は?」
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