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それも、龍の気に入ったらしい。くつくつと笑いながら、「そうなれば、それまでだ。しかしお前の魂は抜けていない。それでいいではないか」とはぐらかした。
「それより歌だ。お前の歌声は龍にとって滋養に満ちた甘露だ。もっと聴かせてはくれないか?」
「……私の歌声が……?」
「人のなかに、ごく稀に存在する。龍を癒す能力をもつものが。巫女でもないのに珍しい。……どうした?」
姫君は勇気を振り絞って歩を進めた。龍に近づき、手を伸ばす。
「……あ……温かいのね……」
「私はこれでも生きているからな。……恐ろしくはないのか?」
「恐ろしいわ……けれど……」
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