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車から降りた竹山に、野次馬の向こうから怒鳴り声が近づいてくる。
声の主は、兵庫県警捜査第一課殺人犯捜査第三係のベテラン刑事桜田だ。
定年を二年後に控えている桜田は、草壁と正反対だ。
事件が起これば所轄よりも早く現場に現れる。
現場を仕切り、そして、何かと捜査第一係に立てつく。
「…さーせん。今日、新人が入って、…教育してたもんで」
「ああ? 一係の新人やなんて、こっちはまだ知らされてねえぞ!?」
刑事として、大先輩にあたる桜田。
竹山には、小うるさいやっかいなロートルだ。
うるせえなあと思いながら、話しを逸らす為、事件の概要を尋ねる。
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