第4話 賢者のベッド 2

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リリコは、手の中のボトルをシンクに置く。 水筒と焼き菓子をひとつ持って、リビングに戻る。 ソファに腰かけ、水筒の蓋をテーブルに置き注ぐ。 「いただきます」 かさかさと包装紙をめくり、リリコは焼き菓子を一口かじる。 口の中に甘さが広がり、丁度いい熱さの緑茶を飲む。 「…だから、濃いですって」 リリコは、はあっと温かい息を吐く。 何も感じない胃の辺りに片手を添え、目を閉じる。
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