【第23話】不器用な獣同士の恋と罪-2

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  目を合わせていた羽村の瞳は、熱を持って揺れていた。 とうとう歪み始めた顔、それは泣き出す準備を始めているかのようにも見える。 ……どうした? 何がお前にそんな顔をさせる? 俺がそう思ったのと同時、羽村の唇が震えながら絞り出したのは、疑問の声だった。 「……ど、どうしたの、長瀬……?」 ……そうきたか。 羽村の迷いの理由、その一端が見えたことで、彼女の気持ちは多少理解できる。 が、一世一代に近い告白に、そんな言葉を返されてしまえば…思わず眉を寄せてしまうのも無理はないだろう。 「……仮にも告白してんのに、『どうしたの』はねーだろ……」 「だ、だって……そんなの……」 言い辛そうにしながらも、羽村は続ける。 「……か、からかってるんでしょ……?」 「……そーゆー疑い方は、感心しねーな。……って、俺のせい、か」 はあ、と大きく息を吐き、諦めたように視線を外した。 .
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