【第23話】不器用な獣同士の恋と罪-2

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  ……長い、静寂の後。 は、と。 息をするのも忘れてしまっていたかのように、羽村は淡い吐息を漏らした。 それがいやに扇情的で、暴走してしまいそうになる。 じわり、掴んだ彼女の腕の体温が、わずかに上がった気さえ、した。 いつものように強引に、ここまで連れて来た。 だけど、いつもとはやっぱり違うと感じる。 ……それが、もう、答えなのかもしれない。 甘く切ない表情を浮かべた後で、羽村は何故か俺の腕をほどき…… 「もうっ!」 なんて不満そうな声をあげて俺の腕を叩いてきた。 「いてっ」と思わず反応してしまったが、もちろん大した痛みはない。 むしろただの、じゃれ合いの一環にも思える。 だからそれが、嫌がっているとか、拒絶とか、そういう類いのものではなく。 単純に、照れ隠しだとすぐにわかった。 ……んっとに、可愛いな、コイツ。 思わず笑ってしまうのを堪えて、わざとふざけてみることに決めた。 .
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