1245人が本棚に入れています
本棚に追加
するりと頬を撫でた瞬間、羽村はびくりと体を震わせた。
口では不平不満を叫んでいるが……その瞳にちらつく欲は、隠せていない。
俺が、羽村を、そんな風に、したのかもしれない。
今、満たされていくのは……小さな独占欲と征服欲、ってやつか。
自分自身にこんな感情がわき上がる日が来るとはな。
羽村の強がりに、そして自分自身の変化に……くっ、と笑ってから、彼女に顔を寄せた。
「抵抗したってムダだって。もー離れらんねーよーにしてんだから」
「何よ、それ……!」
途端に眉を寄せた羽村。
だが、彼女の反応が、俺の自惚れではないことを教えている。
「……言葉通りだよ。心もカラダも、もう俺から離れられなくなってるだろ、って」
「っ!」
.
最初のコメントを投稿しよう!