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元より、
都市伝説の吹聴は、呪いのビデオでも、DVDでも、ゲームでも、何でも良かった。
都検の部員と同い年位の子はこう言った話題には、敏感に食い付いてくるので、彼らの習慣を利用させて貰う積もりだった。
然し、
其れでは、部員を自発的に勉強させるには不向きなので、呪いの問題と言うものを作ってみた。
架空のエピソードに、架空の問題、架空の回答……全てが架空だが、生徒達にとって都市伝説が真実かどうかなぞどうでも良い事だと思っていた。
それと、
もう一つ、生徒達にはある役割を持たせた。
「呪いの問題を怖がっているのは私達だけじゃなく、他のクラス、厭、全校生徒が怖がっています」
沙織が校内の様子を報告した。
都市伝説の口コミの伝達速度に驚いたが、部員達には発信した噂を吹聴して貰うのも目的の一つだ。
発信から数日しか経過していないのに既に全校生徒にまで伝染している。
呪いの問題は効果覿面だったようだ。
「私が教えるから、職員室に来なさいと伝えて頂戴」
心配そうな沙織に指示を出す。
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