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沙織は、都検部では形式上は部長なので顧問の私に報告の義務がある。
私からすれば、
都検部の部員は誰でも良いと言う訳では無かったので、私が独善的に抽選し、一人ずつ勧誘した。
取り分け、成績の悪い、所謂赤点くんを最優先に抽選したのだ。
成績の良い生徒を入部させたのでは私の計画は説得力を持たない。
85点の生徒が90点をとっても、成績が伸びるのは当然だと思われる。
30点や40点代の生徒の成績が伸びてこそ、この部活、私の計画は真価を発揮する。
そう言った意味では、都検部の部員に抽選された四名は幸運に恵まれていると言えるだろう。
都検部には成績優秀な生徒は入部出来ないのだから――。
一人一人、偏差値を比較して、幸運にも抽選された生徒の代表格が、
部長の沙織。
副部長の美佳、
書記の学と、
幽霊、と言うより地縛霊部員の遊人だ。
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