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男に女、若い人が多数だが年老いた人もちらほら見える。
そのたくさんの人が有名人を見つけたように群がっている。
しかし、その注目の先には人はおらず掲示板があるだけ。
その人の若い人たちは全員「受験生」というやつらで、
例に漏れず、そこに向かう俺も「受験生」である。
一歩一歩近づくごとに心音が高鳴る。
朝食で食べたカツ丼が口から出てきそうだ。
「えーと......」
いつの間にか右手で握りしめていた紙を広げる。
そして、そこに書かれている番号を確認して俺は一緒目を疑った。
4444
な……なんて不吉な……
今更自分の受験番号に不安を覚えつつも、嫌な予感をグッと抑えて目の前にある掲示板に張り出されている番号を見ていく。
4436
4439
4442
ドクンドクンドクンドクン
心臓がこれでもかという程騒いでいる。
俺はその心臓を宥めるつもりで目を閉じ、右手を胸に当て「フー......」と小さく息を吐いた。
よし……いくぞ!
パッと目を開けて続きを見る。
なっ……!
俺は冷静に自分の立場を考えた。
名前 大空 太陽(おおぞら たいよう)
年齢 十五歳
性別 男
職業 浪人生
う、う……
「嘘だろーー!!」
俺の叫びは嫌なくらい澄み切った空に響いた。
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