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「ちょっといいか」
まるで俺が来ること分かっていたようにそいつは座っていた。
「はい。何でしょう?」
その顔は答えを知っていて分からないふりをしている顔だ。
こいつ…
「話がある。ちょっと屋上まで付き合ってくれ」
「ええ、いいですよ」
「で、話って何ですか?」
風に髪をなびかせながら彼女は微笑んでいた。
「ホントは分かってるんだろ?」
皮肉混じりに言った言葉は
「はい」
微笑んだまま返された。
やっぱりか…
「お前は一体…」
「何者なんだ?」
彼女はズバリ言い当ててクスッと笑う。
そしてお辞儀を一つすると。
「私は火野 紗英(ひの さえ)。あなたも薄々気付いてるように予知能力があります」
彼女はただ淡々と普通の事を言ってるように言った。
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