未知の学校・予知の力

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「へ? そ、そうね」 土浦先生もまさかこんな所で五月がつっかかってくるなんて思いもしなかっただろう。 咲と五月を交互に見て。 「え、えーと……大空君! 君の席なんだから自分で選びなさい」 と俺に押し付けた。 しかしまいったな…… 咲を見る。 俺に不安そうな眼差しを向ける。 可哀想で今にでも座ってあげたくなる気持ちになる。 で…… 五月を見る。 顔こそ無表情だが 『何あんた? 私にここまでさせて恥かかせるつもり?』 というオーラが出ている。 咲の所に座れば間違いなく今日が俺の命日だろう。 しかし五月の所に座ったら咲が可哀想で見てられなくなる。 「ほら! 大空君、早く決めなさい! 優柔不断な男の子はモテないわよ」 土浦先生は俺に押し付けてこの始末。 しょうがない。 こうなったら…… 「決めました」 「あらそう? で、どっち?」 土浦先生はガッカリしたように俺を見つめる。 「俺はあの席にします」 俺が一つの席に指を指す。 その席は──
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