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「全く心配かけさせないでよ」
五月が呆れながらやって来る。
その顔はどこか嬉しそうだった。
「太陽君!ケガ無い?」
咲が駆け寄って来る。
「私、太陽君が落ちた時はどうしようかと思ったよ」
瞳には涙が溜まっていた。
二人とも…
「心配かけたな。だが俺はそう簡単には死なねぇよ」
そい言って火野に目配せをした。
するとどこからか地響きが聞こえる。
なんだ?なんだ?
見ると前方から凄い勢いで海斗が走ってきた。
「かぁ~いぃ~とぉ~」
そして俺の目の前で飛び。
「キック!!」
見事なドロップキックをかましてくれた。
おわっ!
吹っ飛ばされた俺は崖のギリギリの所で踏みとどまれた。
「太陽君!?もう!雨中君何するの!」
吹っ飛ばされるまで動けなかった咲たちが一斉に海斗を睨む。
「…はっ!お前、太陽じゃねぇか!」
今まで誰だと思ってたんだよ。
海斗は状況を呑み込むと
「悪い、悪い。てっきり妹が苛められてると思ってな」
と恥ずかしそうに頭を掻いた。
「「「「妹?」」」」
その言葉に俺たちは首を傾げる。
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