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｢よ、よーし。じゃあ瞬間移動だ！｣
｢｢｢出来るのー！？｣｣｣
子供たちが目を輝かせる。
｢おっと、言っとくが瞬間移動するのは俺じゃない｣
そう言って俺は財布を取り出し。
｢コイツだ｣
十円玉を出す。
こ、子供だから騙されてくれるよな…
俺は十円玉を高く放り投げ分かり易く右手でキャッチする。
｢さて、どっちの手に十円玉は入ってるでしょう？｣
｢｢｢右！！｣｣｣
ふふん、ひっかかったな！
俺は両手を開いてみせる。
｢｢｢えー！左だ！！｣｣｣
子供たちは大はしゃぎする。
そうこれはあらかじめ左には十円玉を持っていて放り投げた十円玉は右でキャッチ
『どっちだ？』
と聞いているすきに、すかさず右の十円玉を裾の中に落とすという初歩中の初歩みたいなマジックなんだが。
｢すげー俺初めて瞬間移動見たよ｣
｢きっとこの兄ちゃん、なんでも瞬間移動できるぜ｣
｢マジ！！｣
最近の子供は素直でよろしい。
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