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謎の三連休から少し経ち、気がつけば夏休みという名のパラダイスはもうすぐそこだった。
「…やばい」
リビングでゴロゴロしながら呟いた俺の独り言に後ろを歩いていた美代子さんが足を止めた。
「太陽様。いかがなさいました?」
「いや、もう直ぐ夏休みなのに…」
そう夏は直ぐそこだ。…いや、七月に入ったらもう夏って言うのか?
ええい!ともかく夏は直ぐそこなのに…
「彼女がいない!!」
そう、夏は恋人がいないと虚しさがこみ上げてくる季節だ。
なのに、俺は未だに彼女と夏休みを過ごしたことがない。と言うより彼女が出来たことがない。
「まあ、去年まではあいつが居たから気にはならなかったけど…やっぱり夏に彼女は欲しいよな」
「では作れば良いじゃないですか」
美代子さんは平然と言う。
「今から?」
「はい」
はぁ…それが出来ないから今こうして呟いてるんじゃないか…
「無理だよ。俺モテないから。あ~、一日でいいからモテてみたいな」
「わかりました」
美代子さんが頷いた。
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