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「えー、皆さん……」
七月の真っ只中、銀河島にある学校のたった一つの体育館。
たとえそれぞれに人数はいないといえど小、中、高の生徒一同がそこに入るとなると流石に蒸し暑い。
しかし、みんな文句は言わなかった。
何故なら
「……夏休みです」
この時を待っていたからだ。
「という訳で今日から夏休みか……」
校長の夏休み宣言の翌日、つまり夏休み初日。
俺は
「……で、買えた?美代子さん」
「はい、バッチリです」
俺は日本に来ていた。
というのも理由は昨日に遡るわけだが。
『明日から夏休みか……』
夕食のカレーを食いながら独り言のように呟いた。ちなみにカレーは俺のリクエストだ。
しかし後ろで控えていた美代子さんには聞こえていたようで
『太陽様、何かご予定でも?』
予定ねぇ……
『……無いんだよ』
『はい?』
今度は美代子さんでも聞き取れなかったようだ。
『だから、予定が無いから困ったんだよ』
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