拝啓 父上様

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「……今回はしょうがないよな」 無理矢理連れて行くのもあれだしな。 火野が行けないとなると、後は俺、五月、由衣、天満、土浦先生、美代子さんか…… 奥で唸っている海斗を抜かすとそのぐらいだ。 「あの……大空先輩」 「どうした?」 嫌な予感。 「私も行きたくないんですけど」 「……」 見事に的中。 「つ、土浦先生は大丈夫ですよね」 「え!?私?」 突然話を振られて驚いているのか土浦先生は慌ててる。 「その……先生は……そう!見張り!見張りをここでしなくちゃ」 要するに土浦先生も行かないと…… 「五月……」 「……何よ」 呆れ顔で振り返る俺に鋭い目つきで見てくる五月。 「お前は何のためにみんなを呼んだんだ?」 「……五月蝿い!!」 五月も図星をつかれて怒鳴っているがいつもの迫力は無かった。
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