拝啓 父上様

6/39
前へ
/39ページ
次へ
「違う!違う!……というか五月と美代子さんは知ってるだろ」 何も知らない火野たちは騙されてもしょうがないと言えばしょうがないが五月と美代子さんに至ってはちゃんと説明したから分かってるはずだ。 「……ちょっと空気を読んでみました」 美代子さんがにこやかに言う。 「あ、私も私も」 こいつら…… とことん読まなくていいところで読む二人である。 「えっと……じゃあ今のは嘘ってことですよね」 状況を確認するように天満が尋ねる。 「今は嘘でも将来的には本当かもよ」 由衣は俺に向けてた意地悪そうな笑顔を天満に向ける。 「でも先程太陽さんを兄さんと呼んでましたが……」 「まさか大空君!実の妹に手を!」 みんなの誤解は大きくなるばかり。 「みなさん、よく聞いて下さい。こいつは木村 由衣。俺の叔父さんの娘で兄妹のように過ごしたから兄さんと呼んでるだけです」 俺の説明を聞き終えて海斗は 「血の……血の繋がってない妹!?お前はどこの主人公だ!!」 いきなり襲いかかってきた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加