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「はい。先に私が色々と学校に仕掛けを設置しましたから」
両手をぶらんと下げて幽霊のポーズの美代子さん。
「……いつもの事だけど…………美代子さん本当に準備いいな」
「ねえ……」
そんな俺と美代子さんの会話に土浦先生が
「私、今学校のカギ開けてるんだけど……」
と言いながらカギを回しすとガチャンという音とともに玄関が開く。
…………
黙って美代子さんを見たが美代子さんはそっぽを向いて目を合わせなかった。
「よ、よし!じゃあ誰から行くんだ?」
美代子さんに聞きたいことはあったが、今は肝試しを最優先する。
「あの、太陽さん……」
「お!火野行くか?」
未だに五月にしがみついている火野だが意外とこういうのが好きなのかもしれない。
「いえ、そうじゃなくて」
何か言い出しにくいことを言うように火野は顔を俯かせて。
「私は参加したくないんですけど……」
「は?」
参加したくない。
つまり学校に入りたくないと火野は言ったのだ。
そして火野は言い訳のように。
「だって私肝試しするだなんて聞いてなかったんですよ?」
あっ!そういえばそうだった……
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