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いつもそうだ。何から何までしていたのは美代子さん。
｢……う｣
俺は何もしていない。
そんな俺が五月の傍にいても何もしてやれない。
｢……よう？｣
……俺は何が出来る？
｢太陽！｣
｢え？｣
五月の声で現実に意識が戻る。
その五月はというと俺を隣から心配そうに見ている。
｢どうしたんだよ。いきなり大声だして｣
五月は俺よりも大きな悩みを抱えている。
今俺が出来ることは五月に余計な悩みを増やさないことだ。
そうだ。五月に俺の悩みを言ってどうする。
｢いきなりじゃないわよ。さっきから何回呼んでもあんた何か考えてるみたいにして無視してたのよ｣
どうやら俺は長い間考えにふけっていたようだ。
｢何か悩みごと？｣
自分がそうであるからか五月がズバリ言い当てる。
｢あ……と、えーと……｣
嘘をつこうにも思いつかず何とかせねばとしどろもどろになっていると。
｢太陽様、まもなく目的地です｣
美代子さんの声で五月の表情が変わった。
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