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いきなりの由衣の訪問や五月の親父さんの病気、咲への告白。
初っ端から色々ありすぎた夏休みもいよいよ八月に突入。
俺も変わり始めた生活に慣れてきた。
もちろん夏休みで変わった部分もあるのだが……
「どれにすっかな……」
鏡の自分に服を重ねる。
確かに今までも服選びはちゃんとしていたつもりだが最近になってはもっと時間をかけてじっくり選ぶようになった。
ここらへんが変わってきたんだよな。
その変わるようになってしまった原因はというと。
「た~い~よ~う~く~ん~」
噂をすれば……ってやつか。
時計を見ると三十分前。
そんなところがあいつらしくて思わず笑みがこぼれてしまう。
「って!まだ俺服が決まってねぇ!!」
俺は急いで服を掴む。
「すまん!待たせたな」
最速で選んだつもりだったがそれでも十分も経っていた。
ずっとこうして待っていたのかウチの玄関に預けていた体を持ち上げると全然気にしてないように
「大丈夫。私も今来たとこだから」
と笑うが。
流石に無理があるだろ。それ……
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