lost memory

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咲と付き合い始めて一週間以上経つ。 そのせいか最近は二人でいることが自然に思えてきた。 「太陽君。宿題ちゃんと持ってきた?」 咲に返事する代わりに俺はバッグを見せる。 今日はというと学校の図書室で二人で勉強をすることになっていた。 なぜ図書室なのか。 それはクーラーがきいて涼しく勉強にうってつけだからだ。 まあ、俺の部屋もクーラーがきいてるんだが…… ………… 自分の部屋の有り様を思い出す。 ほとんど足場のない床。 ノートが広げられるスペースもない机。 とてもじゃないが咲に見せれたものじゃなかった。 ということで図書室なのだ。 「じゃあ行くか」 玄関を開けて進み出す俺の後ろから咲が追いかける。 外はセミの声が鳴り響いていた。 カリカリカリカリ…… 考えることはみんな一緒なのか結構な数の生徒が来ていた。 カリカリカリカリ…… しかし誰も一言も話さずただ机に向かっている。 俺たちも向き合って座り、それぞれの勉強に取りかかっている。
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