序章

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「疲れた」 家に帰った奈緒はテーブルにひれ伏した。 テーブルの上には 「お土産です」 と会計時に貰ったケーキが入った綺麗に包まれた箱と、 鳴らない携帯電話が置かれている。 「もう食べられないよ……」 満腹感と酔いが奈緒を襲い、 眠気を誘う。 「イブにすっぽかすなんて……」 携帯を寂しそうに見詰めて眠りに着く。 目が覚めたのは日付が変わったクリスマス、 夜中に鳴り響く彼からの着信だった。 ただ、 電話の相手は彼ではなく…… 事故を報告する警察官からだった。
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