湖面の月

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ようやく暗闇に目が慣れ始め、 ぼんやりと辺りを見渡せるようになった頃、 「大丈夫かぁ?」 眩しさのあまり顔に手を翳している僕に声を掛けたのは、 懐中電灯を手にした太一。 「大丈夫な事は大丈夫だけど……」 「なら、 こっちに来てみろ」 興奮気味の太一は僕の手を引っ張り、 懐中電灯を足元に照らしながら歩き始めた。 ジメっと湿った壁、 天井?はドンヨリと黒い。 湖の底なのだろうか、 広さはかなりあるように思うが…… 閉ざされた空間である事だけは感覚で理解できる。
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