太郎と次郎 1

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老婆は二人を優しく見つめ、 隣へ座るよう促す。 「こいつ、 頷く事しかできないから」 弟の頭を撫でながら太郎は老婆の真横へ座り、 その横へコクコクと頷きながら次郎が座る。 「今日はどんな話を聞かせてくれるの?」 太郎は眼を輝かせながら老婆に問う。 「そうじゃなぁ……月のお話なんてどうじゃ」 老婆は確認するように双子の兄弟を交互に見やる。 「聞きたい!な、 次郎!」 太郎の言葉に次郎が頷く。 コクコク。
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