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老婆は二人を優しく見つめ、
隣へ座るよう促す。
「こいつ、
頷く事しかできないから」
弟の頭を撫でながら太郎は老婆の真横へ座り、
その横へコクコクと頷きながら次郎が座る。
「今日はどんな話を聞かせてくれるの?」
太郎は眼を輝かせながら老婆に問う。
「そうじゃなぁ……月のお話なんてどうじゃ」
老婆は確認するように双子の兄弟を交互に見やる。
「聞きたい!な、
次郎!」
太郎の言葉に次郎が頷く。
コクコク。
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