湖面の月

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「何だよコレ?」 怪しげな文章を見せる太一に問い返した。 「涼、 お前はいいよな、 勉強は出来るしスポーツ万能」 昼休みのザワつく教室の天井を見上げて太一は話を続ける。 「おまけに‘綾’という彼女もいる」 「ハァ~」 溜息をついて更に続ける。 「それに比べて俺は勉強もダメ、 スポーツもダメ、 当然女っけも全くなし」 「だから、 それとこれとどう関係があるんだよ」 回りくどい言い方にあきれながら、 文書の書かれたコピー用紙をヒラつかせて再び問い返した。
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