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〈ズダァダァダァダァッ──!!〉
SCARのマズルフラッシュで、闇に閉ざされた原生林が明滅する。
ちがう、そこじゃない、それに”そいつ”には銃は効かない!
奏音は声に出せず、心の中で叫んだ。
「ヤツはどこに居るんだ!?」乱摩(らんま)が叫ぶ。
「『Z』って何なんだ?」沖鳴(おきなり)が恐怖に伝染したように訊いた。
「コードネーム『Z(Zombie)』、つまりゾンビだ」乱麻が答えた。
弾の切れたSCARの弾倉を取り替えようとした兵士の前に、『Z』が不可視を解いて姿を見せた。
「……マックス、お前生きていたのか!?」兵士が呆然とつぶやく。
「ちがう、”そいつ”は生きてる人間じゃない!」奏音が兵士に叫んだ。
『Z』が何かをつぶやくが、兵士は凝固したまま動かなかった。
マックスと呼ばれた『Z』が、兵士の肩越しに大きく口を開けると、歯間の糸を引く粘液が月夜でもはっきり見えた。
「危ない!」奏音が警告した。
「くっ」乱摩が呻く。H&K HK45で『Z』を狙うが、背中を見せる兵士が邪魔で射撃出来ない。
〈ぞぶりっ〉
『Z』が兵士の肩を噛んだ。
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