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地球、ドイツのベルリン市街ランクード宅…
レイ『…』
シャル『レイさん…そろそろヴェネツィアに向けて出発しますよ~』
レイ『分かった……』
ルーシー『シャル…ジーベンと私も着いていくわ』
シャル『へっ?お母さんどうして?』
ルーシー『仕事よ…急に来てくれって先方から連絡があったの。明後日には会社に着いておかないと駄目らしいの』
なにかしらランクード一家と居候のレイはイタリアの水の都ヴェネツィアに向かうようだ。
シャル『へぇ~。ところでお母さんとお父さんの仕事って何?』
ルーシー『秘密よ…会社に言うなって言われているの』
シャル『そうなんだ~。秘密ね~』
ニヤリと薄気味悪く笑う。
ルーシー『ハッキングで調べても無駄よ…シャルの技術じゃお母さんのセキュリティーネットを破る事なんて出来ない…そうでしょ?』
笑い返す。
シャル『うっ…そうだった~💧レイさーん💧』
がっくり肩を落としレイに助けを求める。
レイ『…助けを求めても何もしてやれないわよ…あきらめなさい』
さらりと受け流す。
ルーシー『あらあら…相変わらず家の娘に冷たいわね、レイス=F=ブラウンさん』
レイ『……』
無言で凄い形相でルーシーを睨み付ける。
ルーシー『ごめんなさい、譲れぬ琴線に触れたみたいね…』
レイ『二度とミドルネームを呼ばないで……』
すると、ランクード宅の前に物凄いエンジン音を鳴らして一台の乗用車が停まる。
シャル『あっ!お父さんだ!!』
ルーシー『行きましょう』
三人ともランクード宅から出る。
ジーベン『お前たち、出発予定時刻を忘れたか?いつまで経っても駐車場に来ないから迎えに来てやったぞ』
額に手を当て、呆れた顔で出迎える。
ルーシー『女の旅仕度は時間が掛かるものよ。気長に待つ努力が必要ねジーベン』
ランクード宅の鍵を施錠しながら話す。
ジーベン『まあいい…さぁ乗れ!急いでヴェネツィアまで行くぞ』
車に乗り込むよう促し、ルーシーは助手席に、レイとシャルは後部座席に乗る。
ルーシー『法定速度は厳守、安全運転を心掛けてちょうだい』
ジーベン『分かっている…』
車が緩やかに発進し徐々に速度を上げていく。
後部座席…
レイ『…』
狭い座席空間にノートパソコンを取り出し世界のありとあらゆるニュースが掲載されているページを開く。
シャル『また…バルスさんが載っている記事を探しているのですか?』
覗き込むかのように見る。
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