前編・第1話~新たなる旅立ち~

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レイ『……そうね』   表情一つ変えずに相打ちする。   シャル『む~!!』   レイの腕を掴み、腕組みをする。   レイ『離しなさい……』   シャル『嫌で~す』   レイ『離さないとどうなるか知っているわよね?』   シャル『知らな~い。レイさんが笑ってくれるまで離さないよ~』   レイ『………』   組まれたシャルの腕を変に折り曲げるかのように関節を曲げる。   シャル『痛い!痛い!痛い!!離しますからやめて~!!』   ギブアップのモーションを取りながら痛がる。   レイ『…もうやらない…?』   シャル『はい…やりません』   腕を離す。するとヴェネツィア宇宙観光旅客センターの入口ゲート付近で人々がガヤガヤと騒ぎ、カメラのフラッシュを二人の人物を囲み二人に向けて焚き合っている。   シャル『なんだろう…』   レイ『新聞やテレビのパパラッチ取材のようね…』   シャル『あれは……イーゲル副総帥だ』   よく目を凝らし囲まれている二人を見るシャル。すると、元セイントフォース隊・フェアリージャッジ副艦長であった現新組織秩序連合軍副総帥、イーゲル=ライト=ウッドだった。   記者A『イーゲル副総帥、これからバルジに向かうって本当ですか!?』   イーゲルに向けて早口で質問する。   イーゲル『はい。あなたの言う通りバルジへ向かいます。ですが、あくまでも突如出現した巨大浮遊物体…我々新組織秩序連合軍の間では"ビルケナウ"と呼んでいる物体の調査が目的です』   質問された事を冷静に答える。   記者B『しかし、イーゲル副総帥がセイントフォース隊にいたころの部下であるフェイク=リヴァーンが殉死したのは確かバルジでしたよね?それについて今の気持ちはどのような気持ちなんですか!?』   すぐさま立て続けに質問を投げ掛ける。   イーゲル『バルスについてですか…今は何とも言えません。ただ我々"ビルケナウ調査隊"は感傷に浸っている暇はありませんのでそれについては現段階では存じ上げられません』   記者A『その"ビルケナウ調査隊"の構成員は我社の調査では旧セイントフォース隊とフェアリージャッジ呑みとなっているのですが本当ですか!?』   イーゲル『よく調べられていますな、感心します。それについても事実です。彼らには前大戦でバルジまで行った功績者であり、重要な戦力です。帰還は再来年か3年後の予定です。調査が進むにあたって折ってご報告いたしますので気長に待っておいて下さい…それでは時間のようです…』   報道陣をかい潜りレイ達の元へもう一人の人物を引き連れ近づく。
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