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レイ『人気者ね……イーゲル副長』
イーゲル『全く…こんな事でしたら副総帥にならなければよかったです……』
顔に手を当て疲れた表情でレイ達の前に来る。
レイ『ならカイゼル=ジハード元ユナイテッドテレキネシス副総帥に譲り渡したらどうなの?』
イーゲル『カイゼルさんですか…あの方は本来戦争や争い事は好まない方でして……自ら階級を剥奪し今は戦後復興の為、難民救護や飢餓、医療支援を徹底して動いてもらっています』
レイ『そう……それはそうと、奥さん連れていくつもりなの?』
イーゲル『いえ…流石に連れていく訳にはいきません。クリスティーヌ…』
クリスティーヌ『はい…気をつけて行ってらっしゃい』
頬にキスをする。
イーゲル『…子供たちの事は頼みましたよ』
クリスティーヌ『あの子達はあの子達なりでやるわよ。私は見守るだけ』
イーゲル『そうですか…見送りありがとう』
クリスティーヌ『どういたしまして』
ヴェネツィア宇宙観光旅客センターから出ていくクリスティーヌ。
シャル『熱い、熱いね~』
イーゲルの胸板をぐりぐりと肘で突き茶化す。
イーゲル『…馬鹿な事をやってないでさっさとイリドーラ王国に向かいますよ』
シャルの肘を振り払い出発ゲートに向かう。
シャル『あらら~、目がまわる~』
振り払われ大袈裟にくるくるとその場で回る。
レイ『………(馬鹿はほっとこ……)』
シャルを見て見ぬふりをして出発ゲートに向かう。
シャル『あ~、待ってよ~!!追いてかないでよ~!!』
二人を追い出発ゲートに向かう。
数分後…
旅客機機長『間もなく発進します。この便はボーグナン932便イリドーラ王国行きでございます。大気圏を突入いたしますのでシートベルトをきっちり絞め座席から立たないようお願い申し上げます。本機の客室乗務員の指示が出されるまではシートベルトを外さないよう再度お願い申し上げます。それでは発進いたします。よい旅を……』
イリドーラ王国行きの旅客機がエンジンを吹かし轟音を立て車輪を転がし発進用の滑走路に進入しマッハをも凌駕しもの凄いスピードで飛び立つ。それぞれの想いを乗せて…。
続く
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