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次の日、霧山さんにお礼をしようとしたが、彼女は学校に来てはいなかった。“今日はお休みかあ。明日は来るかな?”私はそう思っていた。だけど次の日もまた次の日も、彼女が学校に姿を現すことはなかった。
なので私は、クラスの人に聞いてみることにした。
「霧山さんって最近学校に来ないね?どうしたのかな?」
すると、その子は不思議そうな顔でこう言ったんだ。
「え?霧山さんって誰?」
「えっ!?誰って、同じクラスの霧山蛍さんのことだよ!」
「秋森さん、うちのクラスには霧山さんなんていないよ?」
「!!」
私は、一瞬ドキッとした。...えっ?うそだ!!何で彼女は霧山さんのことを知らないの?だって、今までずっと霧山さんも同じクラスにいたじゃん。そう思いながら私は、クラスの他の人達にも聞いてみた。だけど、誰一人として霧山さんのことを知っている人はいなかったのだった。
それじゃあ、私が今まで会っていた霧山さんって一体誰?私は、見えないものを見てしまったのだろうか…。そう思うと、私は急に怖くなってしまった。
そんな中で、その恐怖を打ち消すような出来事が起こったのは3日後のことだった。
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