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○学校・体育館
『学園祭』と書かれた華やかな看板。
体育館には、全校生徒・先生たち・観客が集まる。
盛り上がる一同。
司会者「それでは青少年の主張4人目は、この方。3年1組のカバル君。それではいってちょうだーい」
司会者、カバル(15)にマイクを渡す。
カバル「3組のチヨルちゃん、好きだーーーーーーー」
一同「うひょー」
生徒「言っちゃったよ」
生徒「保護者もいるのによぉ。すげえなあ」
皆、チヨル(15)に視線が集まる。
チヨル「ごめんなさい」
一同、爆笑。
生徒「かわいそー」
生徒「めげるなー。女はいくらでもいるぞ」
司会「いやはや残念な結果になりましたが、チャレンジした精神は褒められるべきです。ビバ。さあ、次も盛り上がっていきましょう。青少年の主張5人目は、2年1組のアスナさんでーす。アスナさん、よろしくっ」
アスナ(14)、もじもじしながらステージ脇から出てくる。
アスナ、マイクを受け取る。
アスナ、もじもじして言葉を発するのをためらう。
生徒「アスナ、今日も髪ぼさぼさだぞ」
生徒「寝起きだろ。だらしねえな」
アスナは意を決した顔つきで、言う。
アスナ「こほん、で、では、私から宣言させてもらう。この学園祭終了後、うちのクラスでは、打ち上げなるものが計画されている。もちろん、クラス全員参加だ。私もそれに誘われている。何と、飲食代は担任のゾージー先生が払ってくれるらしい」
ゾージー(24)、照れて頭を掻く。
アスナ「だが、私は打ち上げには出席しない」
一同「えー」
生徒「何だ、医者に行くのか?」
生徒「それとも塾か?」
アスナ「いや違う、たいした理由はないんだ」
生徒たち「ん?」
アスナ「わたし。仲間意識とか、そーゆーのないから」
一同、急に静まり返る。
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