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もしも編【双子のお兄さん。オマケ】
「響君、改めて君たち兄弟の事尊敬するよ」
「え、急にどうしたんですか司さん」
もうすっかりジム友になっていた二人。本日は二人でランニングマシーンを使用中。
「兄弟で結ばれるって凄いことだなって思ってねえ・・」
「あはは・・それはもう困難な道のりでしたよ。でも急にどうしてですか?」
「夢で拓海が俺の弟になってたんだよ」
「へえ!面白い夢見たんですねえ」
流石鍛えているだけあってそう簡単に息を上げない二人は走りながら淡々と世間話を続ける。
「・・そしたら拓海の奴、俺じゃなく俺の弟に惚れてしまってねえ」
「あ、案外昼ドラチックですね展開が・・」
「弟は結局拓海の事選ばず女性と結婚するんだけどねえ・・さびしくて泣いてる拓海に手出しちゃたんだよねえ・・夢だとしてもありゃマズイな・・」
「え、マズイってソレ何歳設定なんですか?」
「拓海が高校生で・・俺があれは多分二十代半ばくらいだったから・・まあ・・うんマズイねえ」
「あははは・・」
いわずもがな犯罪である。
「高校生で身内で・・あれは流石に興奮するなあ」
「司さん、今この状況でその言葉はアウトかと」
「おっとそうだな済まないね」
「いや、でも・・高校生の時の嘉人かあ・・俺中学生だったから何度押し倒したい衝動を抑えたことか・・」
「よく抑えたねえ」
「まあ、抑える方法なんて選ぶ余裕も無かったんで・・その・・あー、この話やめにしません?」
おかずにしたのが衣類だなんて言ったらさすがに引かれる。人間言わなくて良いこともある。
まあ、何か察したのか司さんもそうだなと話題を変えてくれた。
――・・
「・・俺なら押し倒すだろうなあ」
「俺も自分が兄さんなら嘉人の事押し倒したかもしれません・・」
なんやかんや全然話題を逸らせない二人。
「「弟か・・」」
絶対可愛いだろなあ・・
そんでもって絶対性的対象で見るだろうなあ・・
この二人、重症である。
「肩車なんかしたら多分ムラッと来るだろな」
「うわあ、司さん滅茶苦茶危ないですよ」
「そうかい?」
「いや・・えっと・・正直気持ちわかりますけど清々しすぎて恥ずかしいです」
それもかなりの重症である。
一方その頃。
「「はっくしゅんっ!」」
定期的にお料理教室を行うようになった猫のお二人は丁度拓海のぶちまけたコショウでくしゃみが止まらなくなっていた。
完
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