少し前の話。

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朝、目が覚めると弟は俺を抱き枕のように抱きかかえてスヤスヤと寝てるわけで。 寝相が悪いかというとそういうわけではなく、俺に布団をしっかりかけ、自分は背中が半分出てしまっている 「変なとこ気つかいやがって・・」 春先、まだまだ桜が咲くにも蕾さえ膨らんでない時期の朝は寒い。 起こさないように身体を起こし、そっと布団を弟の方にかけ直す。 「にぃ、さ」 ・・起きたか? いや、寝ぼけていたか、寝言だ。 四時半・・早いな。 もう少し寝るかと布団に自分も入り直すと 「行かないで・・」 ・・・・。 ・・やはり寝ぼけてるのか、わざとなのか、弟は俺を引き寄せた 普段の私生活を見ているとコイツはもっとしっかりしているのだが、うちの場合は母さんが気が強いせいか昔から俺に甘えることが多かった。 まあ、それを別に拒むわけでもなく、出来る限りコイツの側にもいた。 まさかこんなにまで懐かれているとは夢にも思わなかったが・・ 今もこうして昔と変わらず俺に甘えてくる。幸せそうに眠っている。そんなに安心出きるのか・・。 弟の髪をそっと撫でる 俺はどうすればいいのだろうか・・
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