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あの嵐に振り回された引っ越しから数日後、彼女がどうしても弟に会いたいときかない。
『バスケ部なんでしょ?アンタ似なら絶対イケメンでしょ!あいたい!』
・・・・。
多分伝えたところで予定が合わないと断るだろう。仕方なく弟に連絡を入れる。
『会う。会わせて。』
・・・・。
嫌な予感しかしない。
日時を決めさせられ、市内のちょっとした隠れ家的なカフェに場所が決まった。
カフェは俺が決めた訳じゃない。
こんな嫌な予感しかしない状況の中でカフェでコーヒーなんか飲んだら苦さが増す。
口の回る彼女とあの弟を説得するのは無理だ。
嫌な予感しかしない。
顔合わせ当日。
弟と彼女が先に顔を会わせたらどうなるかわからないと、俺は集合時間30分前に到着した。
が、
「兄さん早いね」
既に弟は到着していた。
彼女の姿はみえない。
「・・早すぎるだろ。」
「兄さんもね」
弟の笑顔を見た瞬間、嫌な予感どころか生きた心地がしなくなった。
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