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兄さんは俺に悪かったと謝る。
謝らなくていいのに、俺が兄さんを好きになること事態、異常な好意なのだから
兄さんがあの人と家庭を築く頃には、兄さんのこと、吹っ切ることが出来ているだろうか・・
たぶん難しいだろう
新しい恋をしてもどこかで兄さんの面影を探してしまうのだろう
縛って監禁して誰にも触れさせないとかそうゆう歪んだ気持ちはない。
ただ、兄さんにとっての特別な存在に成りたかった。
こうして身体に触れるのも今日で最後にするんだ。
本当に兄さんの幸せを願うなら、もうタイムリミットはきてしまっている。
いや、最初から叶うはずのない事だったんだ。兄さんの優しさに最初から甘え、すがりつき、勝手に夢を見ていた俺のエゴなんだ。
「兄さん、最後に、教えて欲しいんだ・・」
「・・なんだ」
「もしもだよ」
「・・ああ、」
「もしも、俺達のどちらかが女で、俺が兄さんの弟じゃなかったら、俺のこと、恋人にしてくれた?」
笑ってみせる。兄さんを自由にしてあげる前に問いかける。
怖くて今まで聞きたくても聞けなかった最初で最後の質問。
「ああ、もちろんだ」
真剣な目で俺を見つめ、そう言ってくれた
兄さんは最後まで優しかった。
残酷なまでに俺に優しかった。
「そっかぁ・・」
でも、兄弟だからこそ、ここまで悩んで、兄さんのことを思い続けられたのかもしれない。
これから先、希望を失っても、兄さんのことを思うのだと思うと怖くて、仕方がなかった
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