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タオルを持って個室に入り、頭からぬるい水を浴びながら砂の着いた海パンを脱いだ。
ふう、と一息ついて目を閉じる。
ミントブルーのホルターネックの水着が、瞼の裏にちらつく。
薄布からこぼれ落ちそうな白い胸と深い谷間、くびれた腰が暗闇に何度も浮かんでは消える。
頭を振ってその残像を追い払おうとした俺は、ぼそりと毒づいた。
「――刺激強すぎんぞ、朝倉」
俺は悪くない。
こんなしょうもない雑念を持たせるあいつが悪いんだ。
誰ともなくそう言い訳してみても、ここで悶々としている俺が健全な男子だという証明にしかならないようで。
結局この日一日、朝倉美優の肢体が頭から離れなかった。
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