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街で遊び、晩飯を食べた後。
麻紀は帰るのを渋った。
「圭吾~、私まだ帰りたくない」
「駄目だって。もう九時になる」
先立って歩きながらつい顔をしかめてしまう俺はちらと麻紀を見遣って、
「帰って休んで日焼けのケアでもしなよ」
眉根を寄せた麻紀はしばらく黙って俺を見つめていたけれど。
「じゃ、こっちから行こ」
語気を荒げて俺の腕を引き、歩き始めた。
仕方なくついていって……やがて50メートル程歩いて気付く。
――この方向は、確かいかがわしい界隈に。
まさか?
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