第1章

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袋狼を走らせ、ついた現場は酷い有り様だった。 白い薔薇が置かれ…周りは赤一色。 袋狼があまりの臭いに顔をしかめた。 「完璧にリルヴィ…じゃないですか… それに、彼はもう近くにはいない。 インコの足輪の力で逃げたのかも知れません…」 白い薔薇をグシャリと踏めば、睡蓮の花が現れた。 「シンのものでも、シュマシュのものでもない睡蓮にとって…茶番劇でしょうが…」 闇の精霊 羅刹。 あれと契約し、逢い引きしている睡蓮。 光の精霊 ホロウ…確か、あれはチシャが 契約していた。 「まぁ、精霊なんて月も太陽も居心地が悪くなれば… 闇や光に降るだけのものですが…」 さて、どうしたものかとしばらく考え、 ひとまず、リルヴィを追うことにし、再び私は袋狼を走らせるのだった。
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