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袋狼を走らせ、ついた現場は酷い有り様だった。
白い薔薇が置かれ…周りは赤一色。
袋狼があまりの臭いに顔をしかめた。
「完璧にリルヴィ…じゃないですか…
それに、彼はもう近くにはいない。
インコの足輪の力で逃げたのかも知れません…」
白い薔薇をグシャリと踏めば、睡蓮の花が現れた。
「シンのものでも、シュマシュのものでもない睡蓮にとって…茶番劇でしょうが…」
闇の精霊 羅刹。
あれと契約し、逢い引きしている睡蓮。
光の精霊 ホロウ…確か、あれはチシャが
契約していた。
「まぁ、精霊なんて月も太陽も居心地が悪くなれば…
闇や光に降るだけのものですが…」
さて、どうしたものかとしばらく考え、
ひとまず、リルヴィを追うことにし、再び私は袋狼を走らせるのだった。
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