第1章

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真夜中。 そう、真夜中だった。 海賊船を見つめる影が不自然にあった。 そして、そのとなりにも見知らぬ影。 「海賊船は狙うな…分かったか」 「仕方ないね…黒薔薇さんが言うなら… リルヴィさんには…怒られそうだけど」 ニッと笑う彼に黒薔薇はあしらうと、再び目線を海賊船に投げる。 その海賊船には指輪を持つお姫様と、ナイト…そして、カンテラが乗っている。 「船を撃ち落としたら…カンテラが死んでしまう…」 当初の目的を忘れてカンテラに気を使う黒薔薇。 これはリシュの言うように…末期だ。 彼の名前は…黒薔薇。 かつて、宮殿で愛された薔薇の木の精霊。
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