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真夜中。
そう、真夜中だった。
海賊船を見つめる影が不自然にあった。
そして、そのとなりにも見知らぬ影。
「海賊船は狙うな…分かったか」
「仕方ないね…黒薔薇さんが言うなら…
リルヴィさんには…怒られそうだけど」
ニッと笑う彼に黒薔薇はあしらうと、再び目線を海賊船に投げる。
その海賊船には指輪を持つお姫様と、ナイト…そして、カンテラが乗っている。
「船を撃ち落としたら…カンテラが死んでしまう…」
当初の目的を忘れてカンテラに気を使う黒薔薇。
これはリシュの言うように…末期だ。
彼の名前は…黒薔薇。
かつて、宮殿で愛された薔薇の木の精霊。
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